前回(テカポ湖にてマオリ天文学と宇宙の神秘に触れる)からの続きです。
まるで光り輝く宝石みたい!
テカポで青緑色の湖と宇宙の星々のお話を堪能した後は、次の目的地「プカキ湖」へと進みました。
テカポ湖からは約40分の道のりです。
テカポの色も綺麗でしたが、こちらも半端ない美しさ!!
天気が良かったので、パーフェクトなまでに輝いていました。

この湖、私が初めて見た時も、物凄く感動して、友人とはしゃぎまくったのを今でもよく覚えています。
↓グーグルマップの衛星写真でも一目瞭然のミルキーブルー度!!
プカキ湖の色はどうしてあんなに綺麗なのか

な~んてね(*^^*)
答えは、プカキ湖の水中に浮遊する非常に細かい岩石粒子である氷河粉(ひょうがふん)と太陽光の仕業なんです。
じつはこのプカキ湖は、アオラキ・マウントクックを源とするタスマン氷河やフッカー氷河の溶けた水が流れ込んでできている氷河湖。
氷河は、長い年月をかけてゆっくりと流れてくる時に、アオラキ・マウントクックを構成する花崗岩(かこうがん) を削りながら降りてくるのですが、その時に作られた物凄く細かい白い粉末状の岩石粒子(氷河粉)が、氷河の溶けた水と一緒にプカキ湖には沢山注ぎ込まれています。
ある程度大きな粒子の氷河粉は、湖底に粘土状になって落ち着くのですが、あまりにも微細な氷河粉はいつまでも水中に浮いてるそう。
で、ここが、なぜミルキー(乳白色)に見えるかのポイントなのですが、その浮いている状態の白い氷河粉に、水中の中に入ってきた光が粒子に当たって反射(散乱)し、白く濁って見えるんですって。
(雨が少なく湖の水量が低くなっている時は、氷河粉の濃度が増え、より一層白っぽさが増すともいわれています。)
元々、 太陽光の中には色んな色の光の波長が混ざっているのですが、太陽光の中でも青色以外の光は水に吸収され 、青色の波長のみを反射することで、私たちの目には水が青色に映ります。ですから、プカキ湖では青と白が混じったミルキーブルーとなるわけなんですね。
そして、これはあくまでも、夫ちゃんと話しての推測ですが、氷河湖に流れてくるまでには、茶色い土壌をほとんど含まないでやってくるので、湖はこんなにも青白いのでは、と思います。
上記は水の中に侵入した太陽光のお話でしたが、それ以外にも、水面で反射する光の角度、加減や、水面表面に映るものの色も関係しているようです。


夕方は夕日で照らされ、ピンク色に映ることもありますね。

ですので、湖の色は水中の純度(透明度)や混合物の色や種類、水中に侵入したり水面を反射する太陽光の加減、水面に映る物の色、さらには湖自体の深さや底の色、さざ波加減によって決定されているのでしょう。(少なくとも、今回私が調べた限りではそう思いました。専門家ではないので、間違っていたらごめんなさい。ご参考までとしてお読みいただければ幸いです(*^-^*))
同じ湖でも、季節、一日のうちの太陽の位置、曇りの日、風があってさざ波立ってる日など、刻々と表情を変えているのでしょうね。
近くに住んで、毎日のように湖の変化を撮ってみたいなぁ~(≧▽≦)
以上は、こちらとこちらとこちらのサイトを参考にさせて頂きました。
サーモンの養殖が盛んなプカキ湖周辺
プカキ湖はテカポ湖とは違って、特に観光用のお店や宿泊施設があるわけではありません。
あるものといえば、プカキ湖&アオラキ・マウントクックの極上景色と、小さなビジターセンター(観光案内所)くらいでしょうか。あ、おトイレ休憩にもばっちりの場所です。

ビジターセンターの中には、プカキ湖周辺で養殖されたサーモンが販売されています。お刺身なんかも売っているので、すぐに食べたい人は、外のベンチで自然の恵みを味わうことができます。

ここでサーモンを販売しているMt Cook Alpine Slmon(マウントクックアルパインサーモン) のサイトによると、 南アルプスの雪解け水を源とする潤沢できれいな水の中を、毎日ハーフマラソンと同じ距離のびのびと泳ぐキングサーモンたちは「最高の自然の味」とのこと。
自然の環境に沿った養殖を展開し、自然の恵みを世界へと供給しているようですが、サイトを見る限り、香港、上海、アラブ首長国連邦、シンガポール、アメリカが対象国。どうやら日本とは取引がないようですので、ニュージーランドにお越しの際は、是非NZの自然の味を味わってみてくださいね。
水がきれいなので臭みが少なく、よく運動してるせいか試料が人工的すぎないのか、脂ものりすぎではないので、私は好きです。
プカキ湖周辺の事がいろんな角度から学べるプナタフビジターセンター
ビジターセンターにはショップの他にも、この周辺に関する 文化や歴史 が書かれている案内板が展示されているエリアがあり、色々な角度からこの土地についてを知ることができます。

案内板によると、このビジターセンターにはPUNATAHU(プナタフ)という名前が付けられていて、これは以前プカキ湖のところに位置していたナイタフ族の伝統的な村の名前だそうです。
(ナイタフとは、はニュージーランドの南島のほぼ全域の権限を持つ先住民族の総称で、ワイタハ族、ナイマモエ族、ナイタフ族の流れを持つ人々の集まりです。 )
名前と言えば、テカポにあったDark sky projectの建物にもレフワという名前が付けられていましたよね。
このビジターセンタの建物にも プナタフ という言葉の力が吹き込められているのですね。
このプナタフビジターセンターのオープニングセレモニーの動画が素敵だったので、シェアさせていただきますね。湖やセンターの全景も見れていい感じです。
Punatahu Visitor Centre Openingの動画 https://vimeo.com/309208116 |
この動画の最後に出てくる言葉
Ko te whenua
Ko te tāngata
He kāwai kotahi
「土地と人々は一つのものとして一緒に織り上げられている」(英訳からの更に意訳by私)
「土地と人 共に織りなす 一つの世界」(俳句調by私)
からも、マオリの人達が大切にしている「土地と人々は同等であり、人は自然の一部。人も自然もみんな繋がっている大きな家族の一員」と捉えている理念がよくがうかがえてきます。
このマオリの人々の伝統的な世界観をベースとした環境保護の理念の事を マオリ語でKaitiakitanga(カイティアキタンガ) といい、マオリの人々が後世へも引き継いでいきたいと願っている、とても大切にしているものです。
カイティアキタンガについてはこちらにも以前触れたことがあるので、 半プライベートなブログですが、ご興味のある方は読んでみてくださいね。 https://ameblo.jp/izumi-483/entry-12531119647.html |
他にも、壁画に書かれた絵の事や、プカキ湖ができた時の様子の絵の展示などがあり、マオリの人々の間で語り継がれてきた言い伝えの側面からも、この世界やプカキ湖の成り立ちを知ることができます。

右下の人のような形はTikiとよばれ、壁画に描かれている「人」の形だそう。
案内文によると、マオリの言い伝えでは一番最初に南島に船に乗って渡ってきたワイタハ族のご先祖様 Rākaihautū が、KO(コ)と呼ばれるシャベルのような道具で、南島の湖を次々と作り出したといわれています。
以前、トレッキングコースをご紹介した記事の中でも、この Rākaihautū がKO(コ)を使ってWhakamatau(Coleridge 湖 )を掘ったという話を書いたことがあります。同じことが書かれていましたよ~。
ご参考まで ピークヒルルート (Peak Hill Route) https://nzshizenbi.com/2018/06/13/peak-hill-route/ |
さてさて、今回もまた長くなってきてしまったので、続きは次回にしたためますね~(*^-^*)!