クインティンロッジ(Quintin Lodge)とオマヌイ/マッキノンパス(Omanui/Mckinnon pass)

ニュージーランドのフィヨルドランド国立公園内ミルフォードトラック(全長53.5m)にあるクインティンロッジ。2003年撮影。

世界一美しい散歩道

1日に歩ける人数は80名まで。今もなお太古の自然が残る、世界一素晴らしい散歩道「ミルフォードトラック」

この、ニュージーランドの南島のフィヨルドランド国立公園内に位置する、全長35.5KMのロングトレイルは、予約開始直後に満杯になるほど人気のある、トレッカー達の憧れの場所です。

個人ウォークとガイド付きウォークを選ぶことができ、私は2003年2月12日~16日の5日間をかけてガイド付きウォークに友人と参加しました。

(個人ウォークは3泊4日、ガイド付きウォークは4泊5日で、それぞれ違う宿に泊まり、ガイド付きのほうは最終日にミルフォードサウンドのクルージングやバスの送迎が付いています。
ガイド付きは色んな解説やサポートだけでなく、食料や寝具の心配もいらず、山歩きになれていないかたや、ご年配の方や体力のないかたや、ゆったりと歩きたいかたに人気があります)

きっかけは自己紹介

ウォーキングの初日の夜、その日の宿「グレードハウス」では参加者の一人一人が自己紹介をする時間があり、私の番が来た時に「ワーキングホリデーで来ていて、仕事を探しているので、良い話があったらよろしくお願いします。」とみんなに話していたところを、たまたまその時にその場に全ガイドのリーダーさんがいらして聞いていて、「3晩めの宿で人を探してるんだけど、どう?」という話を持ち掛けて来てくれたのです。

そして、その後、私は友人とのニュージーランド南島一周旅行を無事に終え、2003年3月10日にはその3晩めの宿、クインティンロッジにヘリコプターで入り、住み込みで3シーズンほど働きました。

最近、その頃の貴重な思い出写真を引っ張り出してみてはインスタに載せています。
この美しさを、この感動を皆にもシェアしたい!
そんな、当時の純粋な気持ちが蘇っている今だからこそ。。。(いつまで続くかわかりませんが(笑))


時系列はバラバラになると思いますが、
その場所に住んでいたからこそ撮る事が出来た貴重な写真を中心に、アオテアロア・ニュージーランドの自然美達・特にフィヨルドランドの自然美達の姿をお送りしたいと思います。

クインティンロッジ

ここは私がワーキングホリデーでニュージーランドに来て4か月目の2003年3月10日から、2005年の4月まで、3シーズンほど働いていた、私にとっては懐かしの場所です。

ミルフォードトラックのガイデッドウォークのほうに参加した場合、3晩めに泊まる宿でもあります。

背後にそびえたっているのはマッキノンパス。標高は1154m。峠から雲がゆっくりと流れ落ちてくる様子は本当に美しくて大興奮でした📸

毎日住んでるからこそ撮れる自然美の豊かな表情。幸せだったな~💖

クインティンロッジに到着するのは、あの峠の裏側のクリントン渓谷からジグザグの道のりを登ってきて、峠を越えて、こちら側に無事たどり着いた達成感に満ちた状態のトレッカー(お客)さん達。

そんな皆さんを、「Welcome to Quintin Lodge!」といってお迎えしたり、ロッジを掃除したり、お客さんやスタッフのご飯を作ったりの毎日を過ごしていました。

朝起きたらもうそこが職場であり、Middle of nowhere. 大自然に囲まれた秘境。
通勤時間が往復で3時間だった日本での4か月前までとは大違い。

ライフスタイルもさることながらカルチャーショックも相まって、
価値観や固定概念大崩壊!&新世界の始まりだった20代後半のゴールデンタイムでした。

ゆっくりと流れる時間の中、家族のように仲の良い仲間達との貴重な時間が過ごせた思い出深い場所です。(場所によって、時間の流れが違うって本当にあるんですよね。磁場の関係かしら。。。)

そしてここは夫との出会いもあったご縁ある場所。彼との出会いは私の龍さんがセットアップしてくれたそうです🐉。楽しみで仕方がない!!が本当に100%のワーキングホリデーという選択だったので、あの時は自分のために世界が回っているといっても過言ではないくらい、色んな事においてラッキーでした。

話は戻ってこちらのクインティンロッジ、4泊5日のガイド付きのウォークであれば3晩めに泊まる宿です。

今は増築もされこの写真とはちょっと違うそうですが、私達の世界観を変えるような自然の美しさや神秘的な雰囲気は今も変わっていない事でしょう😊

さて瞬時に上の峠までテレポーテーションして、クインティンロッジを上から見てみましょう。

オマヌイ/マッキノンパスにて クインティンロッジを眼下に歩く

山の下のほうに見えるのがクインティンロッジです。
この日はロッジでのお仕事が1日お休みの日だったので、一人で登って撮ってきました。

こちらの写真は、以前DOC(環境保護局)のウェブサイトでも採用されていた自慢の一枚なんです🤗

あたかも自然に歩いてる感じだけど、ひとりテンションマックスでセルフィ―で撮ったというのはナイショということで(*´艸`*)

標高は1154メートルと、そこまで高くないものの、緯度が高い(南極に近い)ほうなので、真夏のシーズンでも雪が降ったりします。

しかも一日のうちに天候が変わりやすいのがニュージーランドらしいところ。体温調節できる服装を準備していくと安心ですね。

オマヌイ/マッキノンパスの12セカンズドロップにて

上の写真で私が腰かけているのはトゥエルヴセカンズドロップと呼ばれる場所。

そこから落ちると、12秒で下に到達するという話は嘘か誠か( ゚∀゚)

良い子は真似をしないようお願い致します。

クウィンティンロッジとエアーストリップ
エアーストリップの先には川がある

ロッジから右上の方向に長く伸びている道は「Air strip(エアーストリップ)」と呼ばれ、昔、食料や燃料を運ぶのに小型飛行機が使われていた時の滑走路なのだそうです。

19年前にロッジで働いていた時の時点で食料の運搬などにはヘリコプターが使われていたので、2003年の時点では、既にもう使われていない状態でした。

オマヌイ/マッキノンパス メモリアル

オマヌイ/マッキノンパスにあるメモリアル。
2003年撮影。

このメモリアルは1888年に、このミルフォードトラックを開拓したクインティン・マッキノンさんと、アーネスト・ミチェルさんの功績を称えて建てられたものとのこと。

今ウィキペディアを読んで知ったのですが、今までは長いことMackinnon passと呼ばれてたけれども、Mckinnonというほうが正しい綴りとのことで2022年の7月に正式に綴りが訂正され、更には先住民の言葉、マオリ語での名称であるOmanuiを前に付けた “Omanui / McKinnon Pass”という名称になったとのことです。

The pass was known for a number of years as “MacKinnon Pass” although it later was agreed that the correct spelling was “McKinnon”.[4] The name of was officially changed in July 2022, correcting the spelling and adding the Maori name to form the dual name “Omanui / McKinnon Pass”.(https://en.wikipedia.org/wiki/Mackinnon_Passより引用)

ニュージーランド最高峰のマウントクックの名称もアオラキ/マウントクックという風に、マオリ名称が前についた名前で呼ばれているのと同じ感じですね。

ジェームスクック船長がイギリスからエンデバー号に乗って大航海をした時にニュージーランドを発見したのは1769年。ニュージーランドに西洋人が本格的に移り住んできたのは1800年代前半。
こんなにも美しい国を探検して開拓していた時はみんなさぞかし自然美の姿に心ときめいたことでしょう。

でも、先住民のマオリ、ワイタハのひと達はもっともっと以前からこの土地アオテアロア(マオリ語でニュージーランド)に住んでいたので、ありとあらゆる場所は既に名称があった。だから、馴染みある場所が次々と違う名前で呼ばれるようになるのはちょっと不思議な感覚もしたのではないでしょうか。

私は言語は文化やその人達のアイデンティティを表す最も顕著でパワフルなものと思っているので、こうして二つの言語が仲良く認識されるようになるのは、互いを認め受け入れるという調和の世界を表しているようで(完璧ではないけど少なくとも調和を目指して前進しようとしている様子がわかって)私は好きです。

皆さんはどう感じられますでしょうか。

この撮った時は、「静かだけど上のほうから音がする」そんな不思議な感覚でした。
静けさという音が鳴っている瞬間
訪れる日時で表情が変わる

オマヌイ/マッキノンパス シェルター(峠小屋)

ミルフォードトラックのハイライトのひとつでもある峠越え。

その峠(オマヌイ/マッキノンパス)にはシェルター(2003年当時はパスハットと呼ばれていた記憶が、、)と呼ばれる小屋があり、ガイデッドウォークのかたも個人ウォークのかたも、中に入ってお昼休憩を取ることができます。(今は改築されているので、この写真はある意味貴重な記録産物ですね(ノ´∀`*) )

オマヌイ/マッキノンパス パスハット 2003年撮影
オマヌイ/マッキノンパス パスハット 2003年11月11日撮影 雪があって寒かった日
オマヌイ/マッキノンパス パスハット 2004年4月撮影
晴れていればこんな感じ 2003年3月17日撮影

景色の良いトイレとクリントン渓谷

上の写真に写っていますが、ハットの近くにはトイレが設置されており、なんとそのドアには外が見れるように小さな窓が付いているんです。

というのも、そこからの眺めはとても綺麗で、極上景色が見れる🚻としても知られているんですよ。

そしてこちらがその A loo with a view の窓から見れる風景です。

オマヌイ/マッキノンパスからのクリントン渓谷の眺め

(じつはトイレの内側から窓も一緒に取った写真もあるのですが、コバエが付いていたりしていたので、載せるのはやめておきました😂)

フィヨルドランド独特の切り立った山肌が印象的ですね。

天気が良ければ、「このクリントン渓谷沿いに歩いてきたんだな~」と感慨深く眺められるでしょうし、天気が悪ければ独特の別世界感を味わう事が出来るでしょう。

👆ポンポローナロッジ(ミルフォードトラックのガイデッドウォークのほうでは2晩めに泊まる宿)と、ミンタロハット(インディペンデントウォークのほうで2晩めに泊まる小屋)を白丸で囲んでみました。
上の白丸のほうがポンポローナロッジです。

オマヌイ/マッキノンパスからのクリントン渓谷の眺め
オマヌイ/マッキノンパスからのクリントン渓谷の眺め

上の2枚は夏に撮影しましたが、雪のある時の様子。

クインティンロッジで働いていた時は、休みの日は色んな所に歩きに行っていたので、様々なミルフォードトラックの自然美達に出会う事が出来たのは本当に恵まれている事でした。

(それをひとり占めしたままじゃ勿体ない、ニュージーランドの美しさを皆にも見て欲しい、という思いが、2005年に旧ウェブサイト「ニュージーランド風景写真」を立ち上げたきっかけです。今はインスタグラムなどでも手軽にシェアできるので、とっても嬉しいです♪)

ひととクリントン渓谷の風景
高山オウムの「キア」とクリントン渓谷の風景

このキアさんは、本当に好奇心旺盛な賢いお仲間!

お弁当を広げっぱなしで食べてると、あっという間に持っていかれてしまうので、(そして、野生動物に餌を与える事は彼らにとっても良くない事なので)注意が必要です~。

以上、峠のトイレから見れる景色ークリントン渓谷のご紹介でしたが、最後にこのトイレのお写真を。

43分前のオマヌイ/マッキノンパスのトイレの様子 2003年12月8日(夏)に撮影
43分後のオマヌイ/マッキノンパスのトイレの様子 2003年12月8日(夏)に撮影

上の二つの写真は同じ場所から撮ったのですが、パスハットに入っていた43分の間であっという間に景色が変わっていました。天候の変化がはやい時は、見える景色も瞬時に変わってきますね。

変化を楽しみ、その瞬間瞬間を味わえるのも、自然の中に身を置くことの素晴らしさの一つですね~。

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