クライストチャーチに唯一残るカヒカテアの森「Putaringamotu-Riccarton bush- 」で静寂を楽しむ

ニュージーランド南島の都市クライストチャーチのとある場所には、交通量が多く賑わっている地区なのにもかかわらず、一歩踏み込むと街の喧騒を離れることが出来る、そんな不思議なスポットがあります。今日はその貴重な空間「Riccarton bush-リカトンブッシュ(マオリ語ではPotaringamotu-ポタリンガモトゥ)」をご紹介します。

街の中のオアシス。その場所は?

下の地図の赤いポイントがリカトンブッシュの場所です。その場所だけ緑が色濃い様子が航空写真からもわかりますね。

近くにはショッピングモール、大通り、大学や高校がある為、いつも賑わっている場所です。この森にはどんな木が生えているのでしょうか。また、どうしてそんなに静かなのでしょうか。森の成り立ちの話についても触れていってみたいと思います。

森の王様「カヒカテア(Kahikatea)」

この森にはカヒカテアというとても背の高いNZ固有種の木が沢山生えています。このリカトンブッシュに生えている一番高いカヒカテアの木は30mで、樹齢は300~600年、クライストチャーチで一番のお年寄りの木だそうです。カヒカテアは槙(Podcorp)の一種。特徴をまとめると

  • マキ科の裸子植物でホワイトパインともよばれるNZ固有種
  • 樹高は60mにもなり、ニュージーランド固有種では最も高い
  • 幹の直径は1.5mまで(細く高く成長する)
  • 地表に張る根の長さが最長
  • 雄の木と、雌の木があり、雌の木だけが種子を作る
  • 種子の生産量が最大
  • 湿地を好むがNZ全土に分布、山地も600mまで生育する
  • 南島のウェストコーストでは植林が行われ、世界遺産テ・ワヒポナム(Te wahiponamu)にあるカヒカテアの森は保護の対象になっている

この森で一番高いカヒカテアの木
高さ30m、樹齢は300~600年!

幹はそれほど太くないけど
とにかく背が高い

どうしてそんなに静かなの?

密度高く生えている背の高い木々が、外からの音を遮断してくれているのが一つの理由だと私は思います。それと、このカヒカテアの木は湿地を好む性質な為、このブッシュも大部分が湿った場所となっているのですが、その水分が音を吸収してくれているのかな?ともふと感じました。ちなみに、この森のある部分では、熟練した人ならば地面に耳をあてる事によって、人が近寄ってくる音を聞くことが出来るのだそうです。不思議ですね。


NZ固有種のファンテイルなど、森に住む鳥たちの元気な声が心地よく響いてきます。

リカトンブッシュはどのようにして出来たのか

じつはこの森(カヒカテアの木々)は、かつてこのカンタベリー平野の氾濫原(河川の流水が洪水時にに河道から氾濫する範囲にある低地部分の総称 )で育っていた森の、唯一の生き残りなのです。近代化が進み、都市環境の中に隔離され、何世紀にもわたって変化に耐えてきた クライストチャーチの大木達がこのカヒカテアの森、リカトンブッシュなのですね。

取り残された森とその将来

海岸に近いこの地域の平野の森林は 、ずっと昔から(数十万年もの間)大洪水や自然火災により定期的に破壊されてきました。このリカトンブッシュの樹齢300年~600年の大木達は、今から3000年前に構築されたカヒカテアの森の最後の世代にあたります。この洪水と森の再生という定期的な自然の過程は、近代の川の氾濫制御システムによって妨害されることとなりました。また、マオリの時代に平野を一掃した自然火災によって木の種子が焼失してしまったことで、更なる隔離がなされ、現在リカトンブッシュの継続的な生存は、積極的な管理にかかっている状態なのです。

Stranded Survivor
「取り残された生存者」

排水が整い、もともとの生息地の状況とは変わってしまった近代の都市環境(以前と比べて水気の少ない環境)では、水を好むカヒカテアの木は、人工的な灌水によって保たれています。また、雌の木が作り出す種子は保護種苗場で育てられ、カンタベリー平野全体でのカヒカテアの再生プロジェクトに役立てられています。

「新しい世代」のために
色んな取り組みがなされているのだそう

ウォーキング体験記

今日(2019年1月11日)は子供達と一緒に歩きに行ってきました。その時の様子を写真でご紹介します。

リカトンブッシュ入り口付近。
カヒカテアの森の入り口は少し奥のほうにあります。

森の入り口の案内図
20分くらいの簡単なウォーキングコースがあります
森は外来性の小動物などが入らないように
柵で囲ってあります。
犬も連れて入ってはなりません。
ドアは二重になっています。
一方のドアが開いている間は、
もう一方のドアは開かない仕組みになっています。

一歩入った瞬間から、音、空気感ががらりと変わります。
入り口すぐのところにあった看板。

「ちょっと立ち止まって
深呼吸して森の香りを味わって。

プタリンガモトゥの森の安らぎを
あなたに響かせてください。」

小さな蛾は探すのが難しいよ。
この森には
200以上もの蛾や蝶々がいるんだって!

さっそく肩車してもらってる次男君5歳

くねくねだね~。
ホントだね~。
高い!カヒカテアの木

写真撮るよ~。と声をかけたら
何故か全員瞑想ポーズ(笑)

根っこが長い。
大地にしっかりと根を張り
大きな木(自分)を育もう。

そんな言葉が浮かんできました。
先住民族のマオリの人々にとっても、1800年代に入植してきたヨーロッパの人達にもこのカヒカテアの木は生活の中で、便利で有益な存在でした。
心地よい音と光に、魂が満たされます
眩しい木漏れ日
葉っぱの生命も輝いて見えました
キラキラして見えた空気
森にはウッドピジョン ニュージーランドバト(マオリ語でケルル)もいます。
今回も見れましたが、写真は撮りそびれました。

以前撮った写真がフォトギャラリーの4枚目にありますので、興味のある方はポチっとリンクを押してみてくださいね。
森から出て、キャッチボールでひと遊び。
この樹々の雰囲気にも癒されます。
この歴史的な建物はレストランカフェにもなっていて、
ランチなどを楽しむことが出来ます。

今回は、静寂を感じながら自然のエネルギーをチャージできる、クライストチャーチに残る貴重なスポットをご紹介しました。今回改めてちゃんと案内板を読み、近くにこんなにもディープな原生林空間があるのも、手厚い保護のお陰なのだと知ることが出来ました。自然、母なる大地、地球と共存をしていく為には、私達人間が責任を持ち調和を保つ努力をすることが大切。これからもお互いが思いやり合い、健やかな暮らしを保っていきたいと改めて感じました。リカトンブッシュでは毎週土曜日にはファーマーズマーケットが開催され、オーガニックフードなども提供されています。お近くにいらした際には、是非足を運んでみてくださいね。

追記 :2019年11月より半日ツアーでこの場所へのご案内も開始しました。

以下「モデルコース・料金一覧」のページより

クライストチャーチ市内〈半日コース〉

【モデルコース5】(約1時間 9:00am~ 14:00pm 適宜)
クライストチャーチ中心部→リカトンブッシュウォーク(30分)→クライストチャーチ市内中心部

宿からの送迎や他のツアーとの組み合わせなども臨機応変に対応いたします。

・トランスポート(車)
・現地案内
・あなただけのメッセージ入りフォト(デジタル画像)と
・その日に撮影した写真をオンラインアルバムにまとめて後日お渡し。
が含まれます。

おひとり様120NZドル(10,000円)
追加おひとり様につき50NZドル(4,000円)追加 
最大合計3名様まで

info@nzshizenbi.com(ゆみ)までお問合せください。


参考:精霊たちが住む都会のオアシス・リカトンブッシュ +リカトンブッシュマーケット体験レポート
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